歯周病
セルフケアと歯科医院のケア、両方が必要です。
当院の歯周病治療の特徴
定期的な管理で長いお付き合い
歯周病は歯と歯ぐきの間の歯周ポケットに歯垢(プラーク)や歯石が溜まったままになり、歯ぐきが慢性の炎症を起こす病気です。
進行するにしたがって歯周ポケットは徐々に深くなり、ひどくなると歯がぐらつき、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまいます。
当院では、歯周病を予防したい方や、歯周病の治療を終えた患者様のために、3~4ヶ月に一度、定期的に来院いただき、お口の状態を管理するシステムを取り入れています。
担当歯科衛生士がメンテナンス
歯周病の長期的な維持管理にあたり、重要となるのが、患者様のお口の衛生を担う歯科衛生士の存在です。
当院では、歯科衛生士を担当制とし、専用の個室で患者様を診療いたします。毎回、同じ人間が担当することで、わずかな異常も早期に発見することができ、コミュニケーションも深まります。
また、歯周病の維持管理には、プロによるケアと同じくらい、ホームケアが大切なため、当院では、患者様の歯磨き指導に力を入れ、セルフケアの上達をサポートしています。
歯周外科処置にレーザーを活用
当院では、重度の歯周病にともなう歯周外科処置にレーザー機器を活用し、患者様の身体のご負担を軽減しています。
歯周病の原因となる歯垢(プラーク)のすみかである歯周ポケット内にレーザーを照射することにより、痛みやしみることがなく殺菌や消毒ができるほか、状態の良くない部分の歯ぐきを除去したり内部の膿の排出を促したりすることで血行を良くし、健康で引き締まった歯ぐきに再生することができます。
歯周病を進行させる要因
ブラッシングが十分でなかったり、砂糖を過剰に摂取するとお口の中の細菌がネバネバした物質を作り出し歯の表面にくっつきます。
これを歯垢(プラーク)と言い粘着性が強くうがいした程度では落ちません。この歯垢(プラーク)の中の細菌が歯肉に炎症を起こしやがては歯を支えている骨を溶かしていく病気のことで結果的に歯を失う原因になります。歯垢(プラーク)は取り除かなければ硬くなり歯石といわれる物質に変化し、歯の表面に頑固に付着します。
これはブラッシングだけでは取り除くことができません。歯石の中や周りにさらに細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。
歯周病と全身の病気の関係
歯周病が怖いのは、全身の病気と関係していることです。
歯周病菌は毒素や炎症性物質を大量に放出します。歯周病菌による有害物質が血流に乗って全身に流れると、動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞といった命にかかわる重篤な病気を引き起こす危険性が高まります。
また、歯周病と糖尿病は深い関連があることがわかっています。妊婦の場合は、早産や低体重児出産のリスクが増加するといわれています。
脳梗塞
脳の血管のプラークが詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークがとんできて脳血管が詰まる病気です。歯周病の方はそうでない方の2.8倍脳梗塞になりやすいといわれています。
糖尿病
歯周病になると、糖尿病の症状が悪化するということが明らかになってきています。歯周病と糖尿病は相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられ、歯周治療によって糖尿病が改善することもわかってきています。
この他にも認知症、低出生体重児および早産の危険性、誤嚥性肺炎、関節炎、腎炎などにも歯周病は深く関係しています。
喫煙が歯周病に与える影響
禁煙すると10年程度で歯周病への影響はほとんどなくなるとの報告も
・傷を治そうと組織を作ってくれる細胞の働きを抑えてしまう。
・歯垢(プラーク)、歯石が歯につきやすくなる。
・組織への酸素供給を妨げ、身体の免疫担当細胞の活動を著しく低下させる。
これらの結果、喫煙者では歯周病が進行しそればかりではなく歯周病の治療への反応や歯周外科手術の経過が不良になる(喫煙者では25~50%程度低下)ことがはっきりしています。また、受動喫煙でも歯ぐきへの色素沈着や歯周病のリスクが高くなることがわかっています。
歯周病の治療の流れ
1.検査
まず、歯周病の進行度を調べる検査を行います。
歯周ポケットの深さや炎症の度合いや骨破壊の有無、歯垢を除去するプラークコントロールができているかなどお口全体の状態をチェックします。
2.歯石除去・歯磨き指導
歯科医院で、歯垢や歯石の除去を行い、その後、患者様がご家庭で正しくケアを続けられるよう、歯科衛生士が歯の磨き方を指導します。
その後、時間をおいてお口の状態を再び検査し、歯周ポケットの深さなどに改善が見られるまで、歯石除去と検査を繰り返します。
3.修復物やかみ合わせのチェック
歯周病を改善し、再発させないためには、歯垢がつきにくくケアしやすいお口の環境にする必要があります。
状態の悪いつめもの・かぶせものを修復するほか、歯を支える骨に悪影響を与えるかみ合わせの異常などもチェックし、必要な治療を行います。
4.歯周外科処置
歯石除去と検査を繰り返し行っても改善が見られない重度の歯周病の場合は、歯ぐきを切開して深い部分の歯石を除去するなどの歯周外科処置を行うことがあります。
5.メンテナンス
治療後の安定した状態が続くよう、患者様には丁寧なホームケアを続けていただき、さらに定期的に歯科医院にてメンテナンスを行います。